この画像を大きなサイズで見る ブラックホールは、死期を迎えた巨大な星が爆発して粉々になり、重力崩壊を続けることによって小さな物質に生まれ変わる際にできるもので、周囲は非常に強い重力によって時空が著しくゆがめられ、その引力の及ぶ範囲内に近づくものはすべて見境なくのみ込むと考えられてきた。 ところが最近、科学者たちは、常にこのシナリオ通りになるわけではない現象を観測した。米マサチューセッツ大学アマースト校の天体物理学者、Q・ダニエル・ワン氏らの研究チームは、物質がブラックホールへ向けて流れる際、その99%以上ははじき出されることを発見したというのだ。 ブラックホールはその特性上、直接的な観測を行うことは困難である。その為、他の天体との相互作用を介して間接的な観測が行われていたが、実際の観測に基づいた事実はほとんど持ち合わせていなかった。 ブラックホールの引力は、そこで生じた熱量を示すX線の放射