印刷 コバルト60の異常値が検出された港 本土返還直後の沖縄の港湾で検出された放射性物質コバルト60は米国の原子力潜水艦から出たとみられる、との1974年2月の科学技術庁幹部の国会答弁が、わずか3日で訂正された背景に、米政府の意向が働いていたことがわかった。答弁内容を変えた当人、伊原義徳・元科学技術事務次官(87)が朝日新聞の取材で、明らかにした。 伊原氏は「米政府の意向が外務省を通じて伝えられ、訂正した」と証言。米政府の要請にそって答弁を変えたことを明らかにした。実際、米原潜が汚染源だったかについては、「コバルト60は人工的につくられる核種だ。沖縄に原子力施設はなく、疑わしきは米原潜というのが常識的判断。その考えは今も変わらない」と話した。 原子炉内などで、金属材料のコバルトに中性子が当たるとできる人工放射能のコバルト60(半減期約5年)は、通常は出ないが、72年5月、米軍が軍港と