治療の初っ端で歯を削ってしまったことにより虫歯が悪化、そのことで神経を抜かざるを得なくなり、さらには抜歯を選択しなければならなくなる――治療の「最初の一歩」を間違えてしまったがために、口のなかがボロボロになってしまう可能性があるのだ。 「すでに歯を削っている人も『もうダメだ』と諦めず、状況に合わせてベストを尽くすことが大切です。これ以上は歯を削らず、口のなかの環境を根本的に改善する努力をしてください」(小峰氏) それでは、歯を削らずにどうやって治療をすればいいのだろうか。 現在は、いくつも新しい治療が開発されている。 ●ドックベスト療法 前出の小峰氏が勧めるのが、この治療法である。歯の自然治癒力を生かした方法だ。 「人間の歯は、歯髄や唾液からミネラルを供給されることによって、一度虫歯になった後でも『再石灰化』が進み、治癒する傾向がある。つまり、歯には自然治癒力があるのです。 30代の男性の