パブリックコメントで提出された八ッ場ダム建設を求める同一文書。署名欄(黒塗り部分)だけが自書されている(国土交通省関東地方整備局の公表資料から)=喜屋武真之介撮影 ◇推進派が世論誘導か 建設の是非を検証中の八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)を巡り、国土交通省関東地方整備局が集めたパブリックコメント(意見公募)で、寄せられた意見の約96%が同一文書に署名だけ手書きしたものだったことが分かった。「八ッ場ダムは必要不可欠」などと印刷され、ダム推進派が組織的に署名を呼びかけた可能性が高い。ダム反対派は「世論誘導の狙いがあるのではないか」と反発。専門家は「パブリックコメントの趣旨から逸脱した行為」と批判している。 同整備局が25日にまとめた「パブリックコメントの結果」によると、寄せられた5963件のうち5739件は全く同じ内容だった。「八ッ場ダムは利根川水系における治水、利水の安全度を高める対策