システムの設計ミスをなくし、上流工程で品質を作り込む上で、設計レビューは大きな役割を果たす。しかし、システム開発のレビューを研究テーマの一つとしている、奈良先端科学技術大学院大学の森崎修司氏(情報科学研究科 ソフトウェア工学講座 助教)は、「設計レビューをうまく実施している開発現場は、全体の3割ほど。多くの現場では、レビューが思うように機能していない」と指摘する。 実際、日経SYSTEMS 3月号の「設計ミスをなくそう――現場を救うレビューの秘訣」という特集で、開発現場を取材したところ、二つの典型的な設計レビューの失敗パターンが浮かび上がった。 欠陥検出件数を満たすだけの“儀式” 一つめは、レビューの「形骸化」あるいは「儀式化」である。これは、レビュー会議が次の工程に進むための形式的な“儀式”と化し、「今さら欠陥をたくさん検出しても修正している時間がない」「次の工程に進むことが先決だ」とい
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