退廃芸術家とされた作家の一人、フランツ・マルクの『鳥』(1914年) 退廃芸術(たいはいげいじゅつ、ドイツ語: Entartete Kunst、英語: degenerate art)とは、国民社会主義ドイツ労働者党(ナチス)が、近代美術や前衛芸術を、道徳的・人種的に堕落したもので、ドイツの社会や民族感情を害するものであるとして禁止するために打ち出した芸術観である。 概説[編集] ナチスは「退廃した」近代美術に代わり、ロマン主義的写実主義に即した英雄的で健康的な芸術、より分かりやすく因習的なスタイルの芸術を「大ドイツ芸術展」などを通じて公認芸術として賞賛した。これらの芸術を通してドイツ民族を賛美し、危機にある民族のモラルを国民に改めて示そうとした。一方、近代美術はユダヤ人やスラブ人など、ナチスが劣った血統と見做した人種の芸術家たちが、都市生活の悪影響による病気のため、古典的な美の規範から逸脱
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