『世界はシステムで動く』の訳者・枝廣淳子さんと東京糸井重里事務所CFOの篠田真貴子さんによる対談の2回目。おふたりの対話を通して、システム思考がビジネスでどのように役立つかを探る。(構成:加藤年男、写真:引地信彦) 組織の構造を変えるには2通りのやり方がある 枝廣:子供は生まれながらにしてシステム思考家だという言い方があるんですよ。 篠田:ええ? そうなんですか。 枝廣:大人になる過程でリニアな考え方を優先するようなしつけや教育を受けることで忘れていくという仮説です。生まれたときはいろいろな物事はつながっていることを直感的に感じていても、結果を出すために直線的な考え方に子供の頃から慣れ親しんでしまうのですね。 でも自然は循環していますから、循環するという考え方のほうが本来自然だと思います。そのなかの一部を取り出しているから直線に見えるだけで、大人のほうが近視眼的なのかもしれません。 篠田: