主語が大きい話ですみません。「日本人はお人よしだ」「外国(特に欧米)のほうが、ずっと悪辣だ」という評判をよく見聞きする。私も同感である。しかし、そのニュアンスに大きな誤解があるように思われ、ずっと気になっている。 「日本人はお人よしだ」と言うとき、そこに「善良だ」とか「純粋だ」という含意はほとんどないのだ。むしろ「短慮だ」「あさはかだ」、もっとはっきり言ってしまえば「間抜けだ」というニュアンスが、強く感じられる。狡猾な外国人に、いいように食い物にされているということである。 以前のエントリー に、英会話スクールの外国人講師に「日本人は舐められているんだよ」と言われ “I know.” と返すことしかできなかったと書いたことがあるが、それはこの認識を踏まえてのことであった。 具体例を挙げよう。日本にタカタという会社があった。エアバッグで国際的なトップシェアをずっと維持していた名門企業である。