引きこもりが価値観や生き方(自分は何のために生まれてきたのか)の根本的な洗い直しを求めてくるにしても,それが現実的な経済生活を生み出さないならば,むなしい抽象談義でしかない.現実的な一歩をまったく踏み出せない,硬直した《問いの牢獄》. なぜ考え込んでしまうのか? 僕らの人生観が,恐怖イメージ一色に染まっているからだ。 《この世に居場所はない》 以下の僕の提案は,この硬直した恐怖を和らげるための《別種の体験》を模索している. (1)『ニュー・スタート』関係者内での相互雇用 引きこもりの人間の多くが,まったく知らない人間しかいない職場への就労に挫折している.雇用先の子どもも「引きこもり」であるならば,仕事をしやすくないか? つまり,『ニュー・スタート』に関わる親御さんで,自分が人を雇う立場におられる方々(会社経営・自営業など)に,引きこもっている子供たちを相互にアルバイトで雇いあっていただく(