勝利者が勝ち取るものは敵意である。 敗れた人は苦しんで萎縮する。 心穏やかな人は、勝敗を捨てて安らかに過ごす。 「ダンマパダ」(201) 画像・AdobeStock 戦って勝つことが、幸福への道ではありません。戦いに挑んでも、勝つ人は一人もいないのです。負けた人は、負けてくやしい思いをします。勝った人は、負けた人に怨まれます。さらに敵がふえる結果になります。ですから、勝ってもいいことはないのです。「人生とは戦って勝つものだ」というような心で生きていたら、至るところで争いを起こし、よけいな苦しみを生むだけです。 日本の社会は、日常の暮らしを戦いの場にしています。幼稚園の入園試験なども、子どもたちに、もう生きるか死ぬかというような戦いをさせています。そのお母さんたちも、服やブランドで競争しています。ただでさえ、苦しむことがいっぱいあるのに、そんな余計なことまでして、苦しみを積み上げているのです