他人に対してどうやって心を開くのか、ずっと分からなかった。 楽しく会話をする方法が分からなくて、 心から笑うってどういうことなのか理解できなかった。 同性にも異性にも積極的になんてどうしてもなれなくて、 いつもビクビクして生きていた。 面倒くさがりでテキパキと行動できなくて、 必死になれるものもなく、なんとなく生きてきた。 そんな自分の性格が大嫌いで、 どうしておれはこんな性格なんだ、なんて不幸なんだ、と自分を恨み、 あげく、そんな風に産んだ・育てた親を、おれは恨んだ。 でも自分ではマイナスにしか捉えられないその性格だって 自分を守るために必要だから本能的に自分が自分に身につけさせた、 生きるための術だったんだよね。 他人に心を閉ざすことができなければ きっとおれは自分の感情を整理しきれずに爆発していただろうし、 消極的になることで不用意に傷つかないように自分を守ってきた。 テキパキしてい