「キュルルッ」という小さなモーター音とともに脚が10cmほど伸びる。着座した乗員がジョイスティックを少し倒すと、実にゆっくりとしたスピードではあるが、転倒することも不安定になることもなく、しっかりとした足取りで前に進みはじめる。 ……ヒューマノイドロボットの草分けである早稲田大学ヒューマノイド研究所とロボットメーカーのテムザックが共同開発した、赤い軽合金製の脚が特徴的な人間搭乗型二足歩行ロボット「WL-16R III」が、世界で初めて、人間を乗せて屋外を歩行することに成功した(4月26日)。 「何だ、単に外を歩いただけではないか」と思う向きも少なくないだろう。実際、今回の実験ロボットの原型となった「WL-16」が人間を乗せての二足歩行を果たしたのは、今から2年以上も前の2003年11月。2005年4月には、バージョンアップ型の「WL-16R II」が、何と人を乗せて階段を昇降することにも成