2021年6月、米ニューヨーク証券市場に上場を果たしたライドシェア大手「滴滴(ディディ)」。しかし、その2日後にアプリの審査が始まり、事実上の営業停止処分を受けた。そして12月、滴滴は上場廃止し、香港市場への再上場を目指すと表明した。いったい滴滴に何が起きていたのか。さらに2021年はアリババを始めとする多くのテック企業に独占禁止法違反による巨額罰金が科せられた。なぜ、中国政府はこれほどテック企業を締め付けるのか。その背景を読み解くとともに、2022年の中国テック企業の動向を探る。 「滴滴」上場廃止の背景に中国政府の圧力 2021年6月30日、滴滴は米国ニューヨーク証券取引市場に上場を果たした。初値は公開価格を19%上回り、中国企業としてはアリババに次ぐ大型上場となった。 ところが7月2日、国家インターネット情報弁公室が、唐突に「国家のデータ安全と公共の利益を守るため」という理由で「滴滴」