ヴェルサイユの礼装グラン・コール 女性を物理的にも束縛したコルセット 王太子妃マリー・アントワネットが、母帝マリア・テレジアの反対を押し切って乗馬に熱中したのは、最初は自分と距離をとっている王太子の狩りの趣味に付き合うためでした。 しかし、いざ始めてみると、ヨーロッパ一堅苦しく、衆人環視のもとエチケットやマナーを厳守しなければならない、ヴェルサイユの宮廷生活からの解放感に酔いしれるようになりました。 夫が狩りや趣味の錠前作りに熱中しているのも、必ずしも自分を避けているのではなく、彼も宮廷から、できる限り逃れたいからだ、と理解できてきました。 また、彼女を束縛しているのは「コルセット」でした。 フランス貴族の子女は、男女ともに2歳からコルセットを着用する習慣でしたが、男の子は6歳で外されます。 しかし、女の子はずっと着用しなければなりません。 それは、中国で行われていた「纏足」と同じく、女性