国会の同意を必要とする日本銀行次期総裁らの人事が近く採決されます。4月8日に任期が満了する黒田東彦(はるひこ)総裁の後任に、岸田文雄政権は植田和男・共立女子大学教授を提案しています。採決を前に、衆参それぞれの議院運営委員会で行われた所信聴取で植田氏は、黒田総裁のもとで続けられてきた「異次元の金融緩和」を引き継ぐことを明言しました。円安・物価高をはじめ、さまざまな害悪をもたらした金融政策をこれ以上続けることは国民を苦しめるだけです。 異次元緩和の破綻明らか 異次元緩和は、2012年12月に政権復帰した安倍晋三元首相のもとで開始されました。年2%の物価上昇実現を目標に、過去に例がないほど大規模な金融緩和を続ければ、経済の好循環が生まれ、賃金も上がるという触れ込みでした。 異例の政策に抵抗を示した当時の白川方明(まさあき)総裁に安倍政権は圧力をかけ、日銀に政府と共同声明を結ばせて2%物価上昇の早
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