英ネーチャーまで憤激「理研大量雇い止め」 名門・理研など計4500人雇い止めを世界が白眼視。「選択と集中」による残酷物語、そのダメージは計り知れない。 2022年9月号 BUSINESS by 榎木英介(一般社団法人科学・政策と社会研究室代表理事) 「disposable」(使い捨て)―。記事に衝撃的な見出しを掲げたのは、イギリスの科学雑誌ネイチャー。誰もが知る世界有数の科学論文誌だ。ネイチャーがニュースとして伝えたのが、日本の研究者4500人が雇い止めの危機にさらされているという厳しい現状だ。ネイチャーだけではない。サイエンス誌も取り上げた。日本が研究者を「使い捨てている」という情報は、瞬く間に世界の科学界に拡散したのだ。 一体何が起こっているのか…。 2022年3月、理化学研究所労働組合(理研労)は記者会見を開いた。理化学研究所(理研)では、23年3月末で600人を超える研究者が雇い止