2014年12月21日のブックマーク (2件)

  • 全ての力を尽くして天冥の標シリーズをオススメする - 基本読書

    この世にはたくさんの感動がある。山登りをする人間には、山を登っている時の空気の味、一歩一歩踏みしめていく時の感触といった他に代えがたい感動があるだろう。将棋をやっている人間には、将棋でしか味わえない読み合いが成立した一瞬、自分が知力の限りを尽くして考えた一手によって相手を乗り越えていった瞬間の感動のようなものがあるはずだ。背筋が凍りつき、今まで味わったこともないような、途方もない興奮を味わうことが出来れば、その人生は幸せだったといっていいのだと思う。何であれ、それぞれの領域にはそれぞれの戦慄がある。 僕にとってその戦慄を得る手段は、を読むことだった。知らないことを知ること、まったく想像もしなかった世界を読み取ること。見たこともない光景を見ること。「ああ、生きてきてよかった」と心の底から思える瞬間が、今までたくさんのを読んできて、幾度もあった。しかし当たり前だが、そう何度もあるわけではな

    全ての力を尽くして天冥の標シリーズをオススメする - 基本読書
  • 天冥の標VIII ジャイアント・アーク PART2 by 小川一水 - 基本読書

    天冥の標第一部からここまで、撒かれてきた種がここに来て一斉に芽吹きはじめた──。 天冥の標が出て最初に書かれた時系列までようやく辿り着き、別側面から描いてみせたPART1だが、「その先」が書かれるのがこのPART2になる。もはやことここに至ってネタバレ無しでレビューを書くような真似はしないが(もし未読でこのレビューを読んでいる人間がいるならこの記事を読んでくるが良い⇒全ての力を尽くして天冥の標シリーズをオススメする - 基読書)今回も読んでいて魂が震えた。イサリの決断と苦悩、ラバーズが模索し続けた「新たなる道」、変容し、多様化しつつある「ヒト」とはいったいなんなのかという問いかけ、そして何より理性でもって痛みを伴う決断をくだすことのできるリーダーとなったエランカという一人の人間──。 一巻から丹念に撒かれてきた種はここにきてその真価を発揮しつつある。中でもやはり特別なのは、作中の主要人物

    天冥の標VIII ジャイアント・アーク PART2 by 小川一水 - 基本読書