2016年12月9日のブックマーク (1件)

  • 慟哭のノンフィクション 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 - HONZ

    大崎善生は大好きな作家の一人である。もちろん最初の一冊はあの『聖の青春』で、いきなりファンになってしまった。以後、著作のほとんどを読んでいる。どのも面白いのだが、なかでも、稀代のSM作家・団鬼六を描いた『赦す人』などは、誰にでも勧めたくなる出色のノンフィクションだ。 いちばん好きな作品は、短編集に収められた『優しい子よ』である。重い病に冒された子どもとの交流に題材をとった私小説は、大崎の作品に限らず、これまでに読んだの中で最高に泣けたである。いや、である、ではなくて、今や過去形だ。『いつかの夏』がいちばん泣けたの座を奪ったのである。何度も何度も嗚咽をこらえられないほど泣いたのは、このが初めてだ。 2007年におきた『名古屋闇サイト殺人事件』は、ネットで知り合った見知らぬ同士がおこした事件であったこと、まったく面識のない罪なき女性が帰宅途中で犠牲者になったこと、そして、その殺人方法

    慟哭のノンフィクション 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 - HONZ