川口淳一郎『カラー版 小惑星探査機はやぶさ 「玉手箱」は開かれた』 小泉宏之『宇宙はどこまで行けるか ロケットエンジンの実力と未来』 渡辺正峰『脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦』 僕にとって新書レーベルの中で中公新書は特別な存在だ。それは緑ベースの地味なデザインが好きなことと、最先端の科学をコンパクトに紹介してくれる良質な科学書がよく刊行されるからで、湯川秀樹・梅棹忠夫による『人間にとって科学とはなにか』をはじめとして、中公新書の科学書には幾度も感銘を受けてきた。というわけで今回は、僕が近年特に夢中になって読んだ中公新書の科学書3冊を取り上げてみたい。 1冊目は『カラー版 小惑星探査機はやぶさ』だ。はやぶさとは、宇宙科学研究所が打ち上げた小惑星の探査機である。アポロ群の小惑星イトカワに着陸し、その表面の観察&サンプル採集をして地球に帰還するミッションを行い、無事2010年に成功させた