第6回 生命の多細胞化に必要だったこと 1つの遺伝子が異なる生物でも機能する? ラクシャリー遺伝子はハウスキーピング遺伝子から誕生した! ・・・など,驚きの視点が満載. 多細胞生物の特徴 単細胞から多細胞への変化は,細胞の誕生,真核細胞の誕生に次ぐ,進化の上で第3の画期的なできごとであったと思います.多細胞化は単細胞では限界のあった,複雑な構造と機能をもてるようになり,生物としての多様な展開を可能にしました.また,多細胞生物というのは,構成細胞1つ1つが機能的にも形態的にも分化し,役割り分担していて,細胞集団全体(個体)として一定の形態的特徴をもち,個体としての機能的な統合がある,という特徴をもっています.単純にいえば,脳を作るには脳の遺伝子がいる,心臓を作るには心臓の遺伝子がいる,できた脳や心臓の働きを維持・調整するにもそれなりの遺伝子がいります.そういう遺伝子,ラクシャリー遺伝子は,単