救世主の誕生をこの世で初めて知ったのは、王でも大祭司でもなく、野山で夜を明かす羊飼いたちでした。天使は、火を囲んで野宿する彼らに近づき、宣言します。 恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。 ダビデの町とはベツレヘム、メシアとは救世主のこと。そして、お告げの天使(大天使ガブリエル)に「天の大軍」が加わり、讃美の歌を歌います。 いと高きところには栄光、神にあれ、 地には平和、御心に適う人にあれ。 ラテン語で〈Gloria in excelsis Deo〉とはじまるこの讃歌は、バッハのミサ曲「天のいと高きところに栄光あれ」や、ヴィヴァルディの合唱曲「グロリア」で御存じの方が多いか