昔の人々が聞いていた音を再現する「音響考古学」という学問があります。これはどのようにして行われているのでしょうか。 フランスの音響考古学者であるミレーヌ・パルドアンは、18世紀パリの街の音を再現しました。彼女がプロジェクトを始めたきっかけは、1734年から1739年の間に製図家ルイ・ブルテズが描いた古地図が手に入ったことです。 この地図に加え、生活誌「タブロー・ド・パリ」(1781)や、作家ルイ=セバスチャン・メルシエが当時のパリの日常生活を語った著作などを照合し、これらの資料から得られる膨大で詳細なデータに基づいて、パリの音環境を再現しています。 「ブルテズ計画」と呼ばれるこの計画が誕生したのは2011年のこと。それから8年後、ミレーヌが夢見ていた「音の散歩」は改良を重ね17番目のバージョンにまでなりました。10分ほどのビデオでは、18世紀末のパリのグラン・シャトレ地区を訪れ、当時の日常