会計検査院は10日、国費の無駄遣いや不適切な経理など改善が必要な事業が248件、297億円あったとする2019年度の決算検査報告を菅義偉首相に提出し、公表した。新型コロナウイルスの影響で検査を抑制したため、指摘件数は1994年度以降で最少。検査院によると、各地の官公庁などに出向く「実地検査」を4~5月は中止し、6月以降も一部の実施にとどまったという。 【写真】二酸化炭素濃度調査に使うブイも 省庁別の指摘金額では、国土交通省が101億5984万円、外務省が57億6809万円と多かった。1件あたりの最高額は、外務省が公益財団法人日中友好会館に拠出した57億6千万円。日中で協力して黄砂対策の植林などを行う予定だったが、実施されないまま資金は同会館が保有していた。事業は今後実施する予定だが、外務省は指摘を受け、使う見込みのない資金が出た場合は国庫に返納するよう同会館に求めたという。(北沢拓也) 「