アニメやゲームが“市民権”を獲得して数年か十数年が経った。 “市民権”と言うとお怒りになる人もいるかもしれない。年配の人からはまだまだ嫌悪されているし、“市民権”などと言う割には政治的な問題意識が遅れている、と批判する人もいるだろう。しかし、そういった指摘ができる程度にはアニメやゲームは世間に広まった。特に三十代より下の世代において、アニメやゲームが90年代のような嫌悪の視線を向けられることは少なくなっている。 なにより、アニメ的表現、ゲーム的表現が驚くほど世の中に溢れるようになった。 地方自治体のキャラクターがアニメ風になったのは、いったい何年前だったろうか。陳腐を地で行くキャラクターが地方自治体の玄関口を飾っている程度には、アニメ風のキャラクターは生息域を拡げた。ゲーム的な表現もそうで、Eテレの『天才テレビくん』はもとより、クイズ番組やバラエティ番組にもロールプレイングゲーム的・シミュ