阪急阪神ホテルズ(本社・大阪市)が運営するホテルのレストランなどでメニュー表示と異なる食材が使われていた問題が波紋を広げている。別の高級ホテルでも同様の偽装が発覚し、ホテル業界関係者は「氷山の一角だ」と話す。問題の背景には、メニュー表記に明確な基準がなく、食材の名称に関する共通知識も乏しい外食産業の実態が浮かび上がる。落ちた「ブランド」への信頼は取り戻せるのか。【石戸諭、田所柳子、田中謙吉】 【「あくまで誤表示」】阪急阪神ホテルズが釈明「だます意図なかった」 ■芝エビは「通称」 「小さいエビを『芝エビ』、大きいエビを『車エビ』と呼ぶのが業界の慣行だった」。大阪市内のホテル関係者は声を潜めた。阪急阪神ホテルズでは、安価なバナメイエビを「芝エビ」と表示。ザ・リッツ・カールトン大阪(大阪市)や東京ディズニーリゾート(千葉県)内のホテルでも、安価なブラックタイガーを「車エビ」と表記していた。ホ