2015年3月に日本結核病学会編集で発行された「非結核性抗酸菌症診療マニュアル」の内容に沿い、非結核性抗酸菌症の概説を行う。 1)非結核性抗酸菌症とは培養可能な抗酸菌の中で結核菌群以外の総称を、非結核性抗酸菌(NTM)とする。その数は現在150以上で、年々増加している。NTMによる感染症が非結核性抗酸菌症(NTM症)であり、そのほとんどが肺NTM症である。他に皮膚・軟部、骨・関節、リンパ節などのNTM症が報告されている。 2)感染源と隔離の要否自然界では短時間しか存在できず、ヒトからヒトへと感染する結核と違い、NTM症の感染源は、風呂場などの水周りや土壌などの自然環境である。ごく例外的な状況を除き、ヒトからヒトへの感染は否定されており、保健所への届け出や患者の隔離は不要である。 臨床検体から1コロニーでも検出されれば確定診断となる結核と異なり、肺NTM症の診断には診断基準を満たすことが必要
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