このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 研究チームは、スイス在住の70歳以上の健康な高齢者777人を対象に、ビタミンD、オメガ3脂肪酸、自宅での運動プログラムという3つの介入が生物学的な老化に及ぼす影響を調べた。 オメガ3脂肪酸とは、魚(特にサバやサーモンなど)、種子(チアシードやアマニなど)、ナッツ類に含まれる「良い」脂肪の一種で、免疫機能の向上、心血管系の健康維持、脳機能の向上に重要な役割を果たすことが研究で確認できている栄養素である。 この研究では、参加者を8つのグループに分け、プラセボ錠剤、ビタミンD(1日2000IU)、オメガ3脂肪酸(1日1g)、自宅での運動プログラム(週3回、3
