耐性菌の少ないきれいな未来のために ウイルス感染症の治療に抗菌薬は不要です 結核や肺炎など、細菌感染症治療の切り札に抗菌薬(抗生物質)があります。一方で風邪(急性上気道炎)や水ぼうそう(水痘)といったウイルス感染症に対して抗菌薬は全く効果がありません。実は、このような必要のない抗菌薬の使用や適切でない投与量・投与期間といった抗菌薬の不適切使用が昨今の問題となっています。 不適切な抗菌薬使用で恐ろしい未来の可能性も 感染症治療の基本は原因となっている細菌(起炎菌)に対して有効な抗菌薬を使うことです。一方で、効果のない抗菌薬を使うことは抗菌薬の効かない細菌(耐性菌)を増やしてしまいます。耐性菌が増えることで本来効き目のある抗菌薬が効かなくなってしまい、治療の難しい細菌感染症が増えることに繋がります。 「2050年問題」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。一部とはいえ今のまま不適切に抗菌薬を