報告書では、これら実際に起きた具体的な被害をすべて想定しており、結論として「全電源が喪失し炉心損傷に至る可能性がある」と警鐘を鳴らしていた。 22年12月の報告書では、3~23メートルまでの津波の波高を想定した危険性を検討。海面から高さ13メートルの防波堤がない場合は7メートル超、ある場合でも15メートル超の津波が来た場合、炉心損傷に至る可能性は「ほぼ100%」と分析していた。 福島第1原発の津波対策での想定は波高5・7メートルで、実際の津波は約15メートルだったため、国や東電は「想定外」と主張していた。 JNES広報室は、研究目的について「原発の設計基準を上回る地震対策について国を支援するため」と説明するが、報告書は経産省に直接提出することはなく、ホームページで一般に公表するだけ。研究のあり方も問われそうだ。 日本システム安全研究所の吉岡律夫代表は「国と東電は想定外と主張しているが、報告