日韓漁業協定で定めた日本海の暫定水域に隣接する排他的経済水域(EEZ)で、韓国密漁船が投棄したとみられる大量の漁具が回収されていたことが分かった。全国底びき網漁業連合会などが行っている海底清掃の状況を水産庁がまとめた。カニの好漁場の同水域では暫定水域を越え密漁をする韓国漁船が後を絶たず同庁や海上保安庁の取り締まりを逃れた密漁の実態が浮き彫りになった。 水産庁によると、暫定水域に隣接する日本のEEZの海底清掃で回収された投棄物は平成12〜19年の8年間で計約5228トンにのぼった。うちズワイガニ漁などに使う刺し網が2015トン、バイ貝やカニを捕獲するバイかごが902トン。日本の漁船は刺し網漁をせず、バイかごも日本で使われている規格とは異なっており韓国漁船が使っているものだという。 いずれも密漁中に逃走し、漁具を海底に不法投棄したとみられ、回収した刺し網は、長さにすると東京〜福岡の2・5往復分