行き過ぎたグローバル化と株主資本主義 まず、以下の定式をご覧ください。 「景気が拡大する」=「国民生活が向上する」 「GDPが増加する」=「国民生活が向上する」 「失業率が低下する」=「国民生活が向上する」 「企業収益が拡大する」=「国民生活が向上する」 「株価が上昇する」=「国民生活が向上する」 少なくとも1990年代半ばまでは、これらの定式が成り立っていました。しかし、2000年以降の経済データを子細に見ていくと、この定式はもはや成り立たなくなってしまいました。これは、世界経済のグローバル化と株主資本主義の行き過ぎに起因するものと考えられます。 たとえば、2000年以降もアメリカのGDPと企業収益は拡大基調を辿ってきましたし、株価も右肩上げりを続けてきました。ところが、国民の実質賃金は低下傾向を抜け出せず、国民の生活は疲弊の度合いを強めてきたのです。おまけに、経済格差も史上最悪のレベル