新型コロナ対策などで赤字国債などが膨らみ、日本の国債発行残高は過去最悪の1074兆1596億円となった。 この状況を打開すべく、これまでにも繰り広げられてきた「財政健全化」の議論だが、“推進派”と“否定派”の言い分については、前編〈ニッポンの借金は過去最悪の約1000兆円…それでも財政は本当に「破綻」していないのか?〉にて詳報したとおりだ。後編では、否定派があり得ないとする日本の「財政破綻のリスク」について、そのシナリオを考えてみたい。 財政健全化“否定派”の言い分 さて、財政健全化議論にはもう一つ大きなテーマがあった。否定派があり得ないとする「財政破綻のリスク」だが、これも間違いだといえる。例えば、金利上昇の可能性だ。 現状、日銀の低金利政策によって、普通預金にほとんど利息がつかないのと同様に国債の利息も低く抑えられている。このため、国債を増発しても国債費の負担は小さく抑えられている。