真実接触面積 それでは本題に入ろう。 最大静止摩擦力や動摩擦力は、なぜ垂直抗力に比例するのだろう。いや、そもそも摩擦の正体とは何だろうか。なぜ摩擦がはたらくのか。また摩擦がはたらくと熱が発生するが、その仕組みはどうなっているのか。 アモントンは、実験で摩擦力は面と面の接触面積に関係しないことを示した。たとえば全面同じ材質の物体を、縦に面に置こうが横に置こうが、最大静止摩擦力や動摩擦力に変化がないということである。しかし、物体を上から押して垂直抗力を大きくしながら滑らせたりすると、動摩擦力は増大する。 いったい、面と面の間では何が起きているのか。 人の目でみて凸凹のない面も、分子レベルでは大きく波打っている。そういう面と面を接触させても、ホントウに接触している面は、実はほんのわずかなのである。そういうホントウに接触している面を、真実接触面という。 面と面とがみかけ接しているように見えても、真