例えば「からくりサーカス」のように、ラストが決まっていて、全てのエピソードがラストに繋がり、エピソードの順番も動かせないという場合、コンピュータが物語に出来ることはほとんどない。選択肢を用意して、ストーリーの本筋と違う選択肢をプレーヤーが選んだとしても、ストーリーがまともに進められる道は一本しかないので、バッドエンドにしてさっさと終わらせることぐらいしか出来ない。しかし旧来の物語観では、全てのエピソードがラストシーンに向かって必然性を持って並べられた、「からくりサーカス」のような形が物語の理想形とされていて、通常の物語の作り方をすればそれに近い物になってしまう。そういった物語の作り方は、コンピュータには向いていない。「うしおととら」では、悪い妖怪が出てきて、その妖怪が誰かを苦しめ、潮ととらがそれを知って悪い妖怪を倒し、苦しめられている人を救う、その繰り返しで物語が構成されている。この場合、