モンゴル南東部の街エルデネツァガーン。首都ウランバートルから約1千キロ。モンゴル語で「白い宝石」を意味する街は、交易地の様相を色濃く映し出していた。 国境を越えて来た大型トレーラーが空き地に並んで駐車し、中国人の運転手らが食堂にたむろしていた。食堂に掲げられた看板には、キリル文字で「カラオケ」と書かれていた。 記者(永井)は、民間の「日蒙学術調査団」の一員として2023年5月29日、この街に到達した。 旧ソ連は第2次世界大戦中、日本の傀儡国家・旧満州国への侵攻をどう準備していたのか。モンゴル東部に残る軍事遺構に到達した記者が、そこで見た光景とは。浮かび上がった旧ソ連軍の「亡霊」とは。記者のルポや識者のインタビューで迫ります。