義兄家族が大晦日に義父母の元に集うらしい。要するに今日のことだが、それに合わせ宴会用の肉を買ってきてくれと嫁が言う。 「ついでだからあん子とあづ紀も泊まりに行かせていい?」 何がついでなのかはわからないが、いてもいなくても自分にとっては我が家の風景に何ら変わるところはない。どうせ今回も覚醒したまま新年を迎えることはないだろう。 それにもう冬休みに入っている。先方にさえ問題がなければ本人たちも行くことに吝か(やぶさか)ではないはずだ。 「いいよ」 肉を買いに行くことも泊りに行かせること、両方に対し3文字も使用して返答しておいた。歳末出血大サービスだ。 以前、義兄、因みに年下だが義兄に義父母の自宅で偶然に会った時に、 「いつも松葉ガニをありがとうございます」 と挨拶されたことがある。自分に向かってお礼を言うということは、義父母にお歳暮であげた松葉ガニが横滑りして義兄の元に渡っていたということだ