新宿にて。三池崇史新作。よかったです! おもしろかった。快心の三池新作と呼んでいいのではないでしょうか。出演者もベテランから若手まで、それぞれのよさを発揮しながら、最終的にはひとつの物語へ向かって貢献している感じもよかったです。ストーリーも、ていねいなエピソードの積み重ね、さりげない伏線とその回収、ドラマティックなせりふの数々などによって完成度の高いものになっている。エンタテインメントとしてのクオリティがきわだっていると感じました。江戸幕府末期に君臨する暴君と、それを打倒すべく立ち上がった男たちの物語。 七〇年代、飲酒や麻薬といった問題で低迷していた俳優デニス・ホッパーは、八六年、デヴィッド・リンチ監督作品『ブルーベルベット』に起用される。彼は劇中、歯科医用麻酔ガスを吸引しながらの異様な性行為に及び、ひきつった声で「ママー、ママー」と叫びつつ、興奮の極みに達して女性を殴打する狂気の男、フラ