戦後、日本は軍国主義国家から、民主主義・平和国家に生まれ変わったといわれる。そして、その象徴が日本国憲法であり、それゆえ日本の政治はこの日本国憲法に基づいて行なわなければならないと考えられている。確かに、戦後の日本は、この日本国憲法という制約の中でしか行動できなかった事を考えると、日本国憲法こそが戦後日本の原点だと言えなくもない。しかし、戦後の日本の進路が、日本国憲法が制定される以前、すなわち「ポツダム宣言」の受諾の時_においてすでに決せられていたのであり、その意味において、戦後の原点は「ポツダム宣言」にあったといえる。それゆえ、戦後の日本が抱えている様々な問題は、「ポツダム宣言」を読み解くことによって深く理解されるのではないかと思われる。 1、 連合国による威嚇 「ポツダム宣言」 第二項から第三項までは、連合国がいかに強大な軍事力を保持しているか、そしてその使用によって日本の壊滅がも