沖縄県教委文化財課は5日、世界遺産で国指定史跡の「首里城」(那覇市)の御嶽(聖地)跡で出土したチョウセンサザエの殻の中に、15世紀半ばから16世紀のものとみられる金銭8枚があったと発表した。2個のサザエが組み合わされ、大きい方に金銭が入っていた。御嶽の基礎部分の石積みや陶磁器の中に入った金銭が見つかった例はあるが、貝殻の中から見つかったのは初めてという。 【千両箱から…】大判小判、ドラマチックに発見 文化財課によると、金銭は当時の琉球王国が御嶽を創建する際、地鎮を兼ねた縁起物の「厭勝銭」として埋納したと考えられ、貨幣としては流通していなかったとみられるという。 県埋蔵文化財センターが1996年度に首里城・京の内地区の御嶽跡で実施した発掘調査でサザエが見つかったが、当時は金銭が入っていると確認できなかった。今年2月に資料を整理した際、サザエの奥に金銭が押し込まれていたのを見つけたという。