西ノ内和紙は350年の歴史を持つ、伝統的な和紙。江戸時代には水戸藩の専売品として、広く愛好された。ちなみに水戸黄門つまり徳川光圀が編纂した『大日本史』も、この西ノ内和紙が使われたという。 特徴は、強い紙ということ。だから障子、唐傘、提灯は当然だが、売掛帳にもよく使われたという。破れにくいのと、書いた字がにじまないのだという。菊池さんによれば「水につけてもにじまない」のだそう。「だから問屋が火事になったら、水の中に売掛帳を放り込んだそうですよ。そうすれば記録がなくならないからって」。それほど、強い紙なのだ。 強さを活かした商品。 強いというお話をしているときに、菊池さんが一枚の和紙を持ってきた。何をするのかと思うといきなり水につけて、雑巾のように絞った。あっけにとられる中田。手渡された紙を、左右に勢いよく引っ張ってみてと言う。切れない!? でも、何度もやっても切れる様子がない。パンパンと音