江戸中期から戦前まで「東京画壇」「京都画壇」と並び、多くの作品を生み出した「大坂画壇」の絵画が、大英博物館や米ボストン美術館など海外に流出し、大阪から姿を消しつつある。大坂画壇のレベルは東京、京都画壇と遜色(そんしよく)はないが、価格が約10分の1というのが大きな理由。財政難の大阪の自治体は絵画購入まで手が回らず、美術関係者からは「公立美術館で流出防止の手を打つべきだ」との声も上がっている。 大坂画壇は江戸中期から商人の支援を受け、文人画を中心に質の高い作品を数多く生んだが、大阪経済が力を失うに従い支援者を失っていった。研究者も少なく、忘れられた存在になり、現在では投げ売り状態に近いという。 これに目を付けたのが欧米の美術関係者。大英博物館には、大坂画壇の絵画が1500点以上収蔵され、毎年、50〜100点を新たに購入しているという。関西大学の中谷伸生教授(日本美術史)は「欧米の美術愛好家や