広島市で21日、東京の芸術家集団が飛行機雲で「ピカッ」の文字を上空に描いていたことが22日、分かった。平和を訴える現代美術作品の素材にするため原爆を意味する言葉を表現、広島市現代美術館の学芸員も立ち会ったが、被爆者や市民から「いくら芸術のためでも不快だ」との声が上がっている。 同美術館によると、企画したのは東京都在住の男女6人。自費でチャーターした軽飛行機で21日午前、広島市上空に片仮名で「ピカッ」の白い文字を5回にわたって描き、メンバーが平和記念公園などからビデオと写真で撮影した。文字は数分で消えた。 11月に同美術館で開催される企画展に出展する作品の素材という。美術館は「彼らはまじめな気持ち。いろんな意見はあると思うが、まだ制作過程なので、出来上がった作品を見て判断してほしい」としている。
2009年の春夏コレクションを紹介する「ロンドン・ファッション・ウィーク」が始まり、一流デザイナーの華麗な衣装が連日、目を引いている。そのひとつが16日に登場した英国の男性デザイナー、ジャイルズ・ディーコン氏の新作。シックな雰囲気ながら奇抜な演出で話題を呼んだ。
【アートクルーズ】天窓から自然光が射し込む。磯崎新ならではの開放感あふれるエントランスホール (C)Fu Xing Photo 中国アート界に多くの人材を輩出してきた北京の中央美術学院。その象徴ともいえる付属美術館を、日本を代表する建築家、磯崎新(いそざき・あらた)が手がけた。キャンパス周辺は現代アートのギャラリーが集まる、アジア有数のアートエリア。来月19日に正式オープンする美術館は、新たなアートの拠点として期待される。 ■従来のイメージ脱却 中央美術学院は、日本の東京芸術大学と比較されるエリート美術大学。北京市郊外に位置し、ファインアートをはじめ、近年ではファッションや建築、プロダクトデザインなど幅広い美術教育を行っている。100を超すギャラリーやアトリエが集積、世界的な注目を集めているアートエリア「798芸術区」も近隣にあり、中国アートの中心地となっている。 磯崎によって建築された
現代美術(コンテンポラリーアート)が牽引(けんいん)する形で拡大を続けた美術品オークション市場に、「バブル崩壊」の兆しが出てきた。米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題の余波で、国内で有名作家の作品が一部で値崩れを起こしているためだ。海外のオークションは新興国のオイルマネーも取り込んでなお活況を呈している。だが、原油や金の相場下落を受け、「オークションは金融市場に連動する」との見方から、日本発のバブル崩壊が世界に広がる懸念も出ている。 ■ピーク時の半値以下 カボチャや水玉など独特の画風で知られ、日本を代表する現代美術家の草間彌生(やよい)さんの作品は、国内外のオークションで昨年前半をピークに数百万〜数千万円の高値を付けた。だが、「サブプライム問題が表面化した昨秋以降、下がり始めた」との声が出ている。「一時は300万円まで高騰した作品が、いま80万円くらい」と都内の大
【写真劇場】ウィーン美術史美術館(内観)。壮麗な建物は、完成まで約20年かかったという=オーストリア (C)Kunsthistorisches Museum Wien, Gemaldegalerie, Vienna オーストリアの首都ウィーンといえば、音楽の都。と同時に、優れた美術品や建築が集まる「アートの街」でもある。夜のオペラ公演までのひととき、“美術散歩”に出掛けてみた。 ■シーン1 伝統と前衛「アートの街」 ■「老いた貴婦人」 「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」−。19世紀末、グスタフ・クリムトら「分離派」の芸術家らは、伝統に寄りかかった権威主義的芸術に別れを告げ、こう高らかに宣言した。 ロンドンやパリ、ベルリンなど欧州の他都市に比べ、ウィーンはどこかゆったり落ち着いていて、時に「老いた貴婦人」と呼ばれることも。しかし、ウィーンの歴史をひもとけば、時代ごとに新しい芸術を受
7世紀半ばに油絵の具で描かれたことが判明したバーミヤン遺跡の仏教壁画=06年撮影(東京文化財研究所提供、共同) アフガニスタンの世界遺産バーミヤン遺跡の石窟(せっくつ)内に描かれた7〜10世紀の仏教壁画が、世界最古の油絵であることが東京文化財研究所などの調査で分かった。調査した専門家によると、絵画の分野では、12世紀のスウェーデンの「キリスト磔刑(たっけい)像」の油絵の具が最古とされており、美術史を塗り替える発見となる。 調査に参加した谷口陽子・東文研客員研究員(筑波大助教)によると、同遺跡の50の石窟の壁画から塗料を採取して化学的に分析、12の石窟の壁画に、クルミやケシの実の油に極めて近い成分を用いた油性塗料が使用が判明した。 塗料を分析した欧州シンクロトロン放射光施設(フランス)は「世界最古の油絵であることが証明された」と断定し、「中国と欧州を結ぶシルクロードを旅した芸術家の作品だろう
重厚で、敷居が高いイメージがある百貨店の美術画廊。扱うのも大御所の作品ばかり…と思っていたら、現代美術と写真に特化したギャラリーが登場した。美術部創設100年の老舗(しにせ)、高島屋が昨年3月、日本橋店にオープンした「美術画廊X」。1年余りの間に無名の新人から国際的な美術家まで幅広く紹介、以前は縁のなかった客層も引きつけている。 ふかふかのじゅうたんが敷かれた美術画廊の一角に、対照的な空間が広がる。セラミックタイルの床に、むき出した天井。いかにも現代美術のギャラリーらしい。 現在、画家の吉川民仁(たみひと)(1965年〜)の個展が開かれている。油彩の新作を中心に約30点。奥行きを感じさせる広い絵肌に、即興的な点や線が踊る。筆跡は直感的で力強く、時にのびやかでやさしい。全体として調和がある。 「ジャズをテーマにしてみたんですよ」と吉川。その名も即興を意味する「improvisation」は明
江戸中期から戦前まで「東京画壇」「京都画壇」と並び、多くの作品を生み出した「大坂画壇」の絵画が、大英博物館や米ボストン美術館など海外に流出し、大阪から姿を消しつつある。大坂画壇のレベルは東京、京都画壇と遜色(そんしよく)はないが、価格が約10分の1というのが大きな理由。財政難の大阪の自治体は絵画購入まで手が回らず、美術関係者からは「公立美術館で流出防止の手を打つべきだ」との声も上がっている。 大坂画壇は江戸中期から商人の支援を受け、文人画を中心に質の高い作品を数多く生んだが、大阪経済が力を失うに従い支援者を失っていった。研究者も少なく、忘れられた存在になり、現在では投げ売り状態に近いという。 これに目を付けたのが欧米の美術関係者。大英博物館には、大坂画壇の絵画が1500点以上収蔵され、毎年、50〜100点を新たに購入しているという。関西大学の中谷伸生教授(日本美術史)は「欧米の美術愛好家や
【美術展情報】ルナ・イスラム新作個展、クレイギー・エイチソン展など (1/2ページ) 2008.4.1 15:52 ■ルナ・イスラム新作個展 5〜5月10日、東京・清澄のシュウゴアーツ。日・月曜、祝日休み。 1970年、バングラデシュに生まれたイスラムは、幼少期に英国に移住。主に映像作品で国際的に注目されているアーティストだ。フェリーニやゴダールらに影響を受けているが、「映画」の枠に収まらない感受性豊かな作品で知られる。16ミリ映写機による映像インスタレーションの新作などを展示する。 ■クレイギー・エイチソン展 5〜6月1日、東京・神宮前のポール・スミス・スペース・ギャラリー。水曜休み。 エイチソンは1926年、スコットランド生まれ。ロイヤルアカデミーのメンバーで、英国を代表する画家のひとり。風景や鳥、十字架のキリスト像を描いた作品など計23点を紹介。ほのぼのとした温かさと深い精神性を感
絵画は心の栄養剤 東京・麻布十番の閑静な通りに面して、外国人が運営するギャラリーがある。銀座をはじめ東京には多くのギャラリーがあるが、外国人が運営しているのは珍しい。オーナーは、美術とは縁遠い製薬会社のドイツ人社長、ヘルマン・ストレンガーさん(50)。なぜ日本でギャラリーを開いたのか。(渋沢和彦) ストレンガーさんは、日本に足かけ16年滞在、日本語すらすらで、英語、フランス語と合わせて4カ国語に堪能だ。 製薬会社の社長として多忙な毎日をおくる中で、「仕事をしているだけでいいのか」という疑問が心のどこかにあった。そして昨年8月、50歳を迎え、「いままでの人生で何かやり残していることがある」と自覚したという。 ストレンガーさんは8歳のとき、父親と美術館へ行ったことがきっかけで絵が好きになった。「フリードリッヒ(ドイツ・ロマン派)の絵でした。そのとき見た風景画はいまもよく覚えています」 海外出張
若手作家や職人の作品を展示販売する「京都アートフリーマーケット2008春」が29日、京都市中京区の京都文化博物館別館などで開かれ、掘り出し物を探す人たちでにぎわった。30日まで。 同フリーマーケットは、京都を拠点に活動する若手作家の育成を目的に年に2回開催され、今年で6回目。今回は過去最多の105のグループが参加し、作品を販売するブースを館内や三条通沿いに76店設置。絵画、陶芸、アクセサリーや写真などの作品がずらりと並べられた。 会場ではヘビ革を使ったブレスレットの実演販売が特に人気で、カラフルな革を選ぶ女性たちで行列ができていた。 午前11時〜午後5時半。問い合わせは同フリーマーケット実行委員会((電)075・414・4222)。
仏ボルドーの老舗シャトー、ムートン・ロスシルド。世界最高峰のワインは垂涎(すいぜん)の的だが、ボトルを彩るラベルもまた格別だ。何しろピカソ、シャガール、ミロ、ベーコン…きら星のような芸術家が手がけてきたのだから。そんな「お宝ラベル」約60年分を堪能できる原画展が、森アーツセンターギャラリー(東京・六本木ヒルズ)で開催されている。 第二次大戦が終結した1945年、当主(当時)のフィリップ・ドゥ・ロスシルド男爵が勝利の「V」をあしらった絵を若手画家に依頼し、ラベル化したのが始まり。 会場には原画約60点と歴代のワインがずらりと並ぶ。男爵の娘で現当主、フィリピーヌ男爵夫人によれば「何を描くかは芸術家の自由」だとか。ローランサン(1948年)はバッカス神の巫女(みこ)を、ダリ(58年)は雄牛(ムートン)を軽妙なタッチで、ウォーホール(75年)はこの年に亡くなったフィリップ男爵の顔をコラージュで表現
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