2.特集:スーパーコンピュータの動向 情報通信ユニット 亘理 誠夫 2.1 はじめに スーパーコンピュータは、最高の計算能力を持つコンピュータとして1970年代に現れ、コンピュータの最上位機種として、その性能を図表1に示すように着実に伸ばしてきた。本年6月に発表された世界中のスーパーコンピュータ(注)のランク付けTOP500(詳細は本科学技術動向8月号)によれば、第一位は米国のASCIプロジェクトにより開発されたASCI whiteであり、ピーク性能12.3TeraFlops�@の計算性能を持っている。一方、日本では来年初めには40TeraFlopsをもつ地球シミュレータが稼働する予定である。 一方、巨大なPCの市場に支えられて汎用プロセッサの開発が強力に進められており、その性能も目覚ましく向上している。今日のWSやPCは10年前のスーパーコンピュータ並の計算能力を持ってい