「すべての家庭にコンピュータを」というビジョンを持ち、1975年に創業したMicrosoft。昨年9月には組み込みシステムの研究を行うT-Engineフォーラムにも参加表明を果たし、TRON開発者の東京大学教授、坂村健氏とも握手を交わしたマイクロソフト最高技術責任者の古川享氏。同氏は7月7日、「組込みシステム開発技術展」の基調講演にて、デバイスがますますスマートになってすべての機器がつながるシームレスコンピューティングが実現間近だと述べ、そのための課題と同社の取り組みについて語った。 古川氏はまず、シームレスコンピューティングの実現に向けて課題を提唱した。デバイスが多様化し、機能も複雑化の一方をたどっている点だ。単一メーカーから出荷される製品であっても、製品ごとに使い方を覚えなくてはならないことや、人とコミュニケーションを取りたい場合にメールや電話、ファクスなど、それぞれを個別に使いこなさ