「愛は惜しみなく与える」は、本当か? 仏教に、「愛憎」という言葉があります。 愛欲と憎しみのことです。 普通、愛欲と憎しみは、全く別ものと私達は思っています。 しかし、仏教では「愛憎一如」と言う言葉があります。 愛情と憎しみというものは、全く別ものでなく、 憎しみは愛情から生ずるのだと、仏教では説かれているのです。 世間では、よく「愛は惜しみなく与える」と言われますが、 果たして本当でしょうか。 「愛」とは、一般的にはよいイメージの言葉として捉えられていますが、 仏教で「愛」とは「執着」のことですから、考えてみれば 愛情というものは、相手の思うままにしたいということです。 ですから、確かに「愛」は、執着なのです。 憎しみは愛情から生ずる。だから、「愛憎」はひとつの如し。 その証拠に、自分に都合のよい相手である間は、その相手に惜しみない愛情を 注ぐことができますが、一旦、都合が悪くなると手の
