カメキチの目 『〈いのち〉とがん 患者となって考えたこと』 という本(新書)を読んだ。 著者は坂井律子さんといい、NHKのベテラン職員。 (本は2019年2月に出版。著者が苦しいなか、あとがきを書かれたのは2018年 11月で、そのときはすでに再再発、転移。 その後しばらくして、亡くなられた) 膵臓ガンだった。 (膵臓ガンはその難治性ゆえに、ガンの「王さま」などという「隠喩」の表現が よくされるが、著者は当事者になってみて、そういう隠喩がどれほど患者を 傷つけるかということを述べておられていた。それが強く心に残った) 現在は、ガン細胞が遺伝子レベルまで解明され、 その研究成果が治療に取りいれられ、昔なら(これなら) 「ダメ」といわれたガンの生存率が格段によく なった。 坂井さんは膵臓ガンとはいえどもまだ手術ができ、 はじめは一命をとりとめたものの、再発、再再発、 肝臓やリンパへの転移と、ふ