「少しぐらい待遇がよくなるのかなと思ってたんですよね。悪い言い方をしてしまうと、詐欺にあったような感じです」 こう話すのは、西日本の公立高校で非正規の教員として働く20代の男性です。非正規の公務員にもボーナスなどを支給できる制度が去年4月から始まり、正規と非正規の収入格差が是正されるものと期待されました。 それから1年。制度のねらいとは裏腹に、当事者からは失望の声が相次いでいます。 (非正規公務員取材班 水戸放送局 記者 齋藤怜) 去年4月。民間の大手企業を対象に正規職員と非正規職員の間での不合理な待遇格差を無くす「同一労働同一賃金」が始まるなかで、国も、正規と非正規の公務員の格差是正を図る新たな制度をスタートさせました。 非正規公務員は「会計年度任用職員」と呼ばれるようになり、ボーナスや退職手当などの支給が可能となったのです。 いまや全国の市区町村では、公務員のおよそ3分の1は非正規の人