偏見が人の運命を狂わせる 「男性はこうあるべきだろう」「女性はこういうものだろう」という思い込みは、無意識のうちに私たちを縛っている。このような思い込みを「ジェンダー・ステレオタイプ」と呼ぶ。あるいは単に「ジェンダーによる偏見」と呼ぶ。 日本は恐らく、ジェンダーによる偏見が男女の進路選択に与える影響が強い国である。 一般的に、多くの国で理工系には男性が多く、社会科学(法や経済など)は男女半々、人文系(文学など)には女性が多めになる。日本のあり方はOECD諸国の平均を上回り、理工系は男性、人文系に女性という傾向を強烈に示す。一例を挙げれば、工学部卒業生のうち女性の占める割合は、OECD諸国平均では26%だが、日本は13%だ(2014年の数字)。 それどころか、大学の門も女子学生には遠いらしい。最近の朝日新聞記事によれば「娘は無理して大学に行かせなくても…」という考え方が今でも根強く残っている