東日本大震災で沿岸部に壊滅的な被害をもたらした巨大津波。震災後、被災地に建設された防潮堤は粘り強く体を張って津波に立ち向かい、人に「生き抜くチャンス」を作るでしょう。 巨大津波に流された跡 2011年3月11日の東日本大震災の発災直後。その時、カバー写真の現場である東松島市の鳴瀬川の河口には、背景の松林を抜けるように手前に向かって巨大津波がやってきました。多くのものが流され、津波が去ったあとに残されたのは、門扉、庭石。その後方にスカスカになった住宅、そして松林。 あの日、写真中央付近に立つ安倍淳さん(水難学会理事・副会長)は巨大津波が迫り、海岸沿いに並んでいる松林を越えてくるのを目の当たりにして、この場所にあった自らが経営する会社の事務所に逃げ込みました。 2階の事務室にて海水の高さが上がりつつある周辺を確認した後、信じられない現象に遭遇します。「ボンと爆発音のような大きな音が聞こえたんで