「世界の肥満成人数は2002年の14億5000万人から2010年には25%増加して、19億3400万人にはね上がった」 これは、ワールドウォッチ研究所が最近発表したレポート「Vital Signs Online(地球環境データブック・オンライン)」の冒頭の一文だ 。これが警告として十分でないなら、世界が否応なく肥満蔓延への道を突き進むことがますます懸念される。このレポートでは、欧米社会のものと思われていた肥満の問題が、今日ではグローバルに広がっており、その傾向はさらに強まるであろうことが明らかになった。 言い換えれば、肥満は特定の地域や文化グループの特徴だと思われていたが(典型的な「太ったアメリカ人」が何かにつけ物笑いの種にされていたことを思い出していただきたい)、最大の原因はむしろ、所得が増え、高カロリーで肉中心、ファストフードに依存した「欧米型」の食生活をして、ライフスタイルがそれに伴